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渡辺 宏; 佐藤 友太郎*
Agricultural and Biological Chemistry, 45(5), p.1209 - 1214, 1981/00
A.lunatusの生産する粗酵素は種々の微生物に対して広い溶菌活性を示す。我々は特に放射線抵抗性細菌を溶解する酵素を得るため、粗酵素の分離と精製を行なった。粗酵素はCM-SephadexとSephadex G-75によって13活性画分に分離された。これらの画分の内、5画分は溶菌スペクトルが似ているが、他の画分は各々異なる溶菌スペクトルを示した。粗酵素が広い溶菌スペクトルを示すのは、このように多くの酵素を含んでいるためであると考えられる。ディスクゲル電気泳動の結果から、P2-2画分を除く他の画分は少なくとも2種類以上の蛋白を含んでいた。P2-2画分(P2-2酵素と命名)はM.radioduransに対して最も高い活性を示し、粗酵素から34倍精製された。本酵素は界面活性剤を使わなくとも放射線抵抗性菌を溶解できるが、カゼインのような蛋白を分解する能力はない。
渡辺 宏; 佐藤 友太郎*
Agricultural and Biological Chemistry, 45(5), p.1215 - 1221, 1981/00
放射線抵抗性細菌を溶解する精製P2-2酵素の性質とその溶解作用について検討した。酵素反応の至適温度は60Cであり、至適pHは8.5であった。本酵素は中性緩衝液中では40Cまで安定であるが、80C15分の加熱で失活した。 2価金属イオンとPCMBやIAAは酵素活性を阻害した。Sephadex G-75から求めた分子量は16000である。M.radioduransやM.lysodeikticusの細胞壁から調製したペプチドグリカンはP2-2酵素によって溶解し、Freeのアミノ基を遊離するが、還元基やN-アセチルアミノ糖は遊離しなかった。従って本酵素はendopeptidaseであると考えられる。さらに、酵素を作用させたペプチドグリカンのN末端アミノ酸の分析結果から、P2-2酵素はペプチドグリカン中のD-アラニンのカルボキシル基側ペプチド結合を切断すると考えられる。
渡辺 宏; 飯塚 廣*; 武久 正昭
Agricultural and Biological Chemistry, 45(10), p.2323 - 2327, 1981/00
M.radioduransの細胞は照射によって溶解酵素(P2-2酵素)の作用を受けやすくなった。この照射による溶解促進作用は液体N中で照射した場合には観察されなかったから,放射線の間接作用によって起ると考えられる。またt-ブタノールを添加することにより、促進作用は全く抑制されるから、この間接作用はほとんどOHラジカルの作用によって起る。細胞をNやO中で照射した時は、非照射細胞と同様にほとんどリゾチウムの作用を受けないが、NO中で照射された細胞だけはリゾチウムで溶解されるようになった。一方、n-ブタノールで抽出することにより脂質を除いた細胞はリゾチウムでも溶解するようになるが、この細胞を照射しても、酵素溶解は促進されなかった。従って照射による酵素溶解の促進現象は、細胞壁中の脂質成分の変化に起因すると考えられる。
渡辺 宏; 飯塚 廣*; 武久 正昭
Z.Allg.Mikrobiol., 20(8), p.535 - 537, 1980/00
放射線抵抗性菌をより低線量で殺菌することを目的とした殺菌線量低減化技術の開発の過程で、放射線抵抗性菌であるPs.radioraがNOによって著しく増感されることを見出した。このNOによる増感作用はPs.radioraに限らず、抵抗性菌であるM.radioduransやM.lysodeikticus,B.pumilusなどでも観察されることから、細菌一般にみられる現象と考えられる。種々のラジカルスカベンジャーを用いて、増感作用に関与する活性種について調べた結果、NOの増感作用はOHラジカルとHOによって起り、どちらか一方が捕捉されても増感は抑制されることから、両者の協同作用によって増感が起るものと考えられる。栄養細胞に対するこの新しい増感機構を従来の増感機構と対比して考察した。
伊藤 均
Agricultural and Biological Chemistry, 41(1), p.35 - 41, 1977/01
鋸屑と米糠を主成分とする鋸屑培養基を放射線殺菌してキノコ類を人工栽培する研究を行なっていた際に放射線抵抗性の強いMicrococcusが培養基中に増殖してきた。各試料から分離された赤色コロニーを形成する3株の代表株のうち、H54、H55の2株はグラム陽性の二連または4連の球菌であり分類学的性質はAndersonらの分離したMicrococcus radiodurans R株とほぼ一致していた。そこで、この2株をM.Radioduransと同定した。一方、H48株はグラム陽性の二連球菌で細胞が他の株より著しく小さく、硝酸塩の還元能、栄養要求性など他の株と異なっていた。そこで、本菌をM.Radioduransの変種として同定し、M.Radiodurans var.Riboflavus nov.var.と命名した。これら3株のGC含量は65~67%であり、細胞壁のアミノ酸組成はオルニチン型を示していた。各分離株の放射線に対する抵抗性もR株と似ていたが、生存曲線の形は菌株により異なっていた。各株の燐酸緩衝液中でのD0値は190~300kradだった。
渡辺 宏; 久米 民和; 岡沢 精茂*; 佐藤 友太郎*
Agricultural and Biological Chemistry, 40(2), p.427 - 429, 1976/02
放射線抵抗性細菌ではM.Radioduransのようにグラム陽性菌であっても一般にlysozymeによる溶菌化が困難であり、P.Radioraなどは全く作用を受けない。これらの抵抗性菌の細胞壁と抵抗性を観察することにより、抵抗性細菌をより低線量で殺菌するための感受性変換因子を検索することを目的として、各種放射線抵抗性菌のAc.Lunatus生産酵素に対する感受性をしらべた。一般の溶解酵素では溶菌されにくい放射性抵抗性菌が、本酵素に対してはどれも作用を受けて溶菌した。これは抵抗性細菌の外殻構造の共通性を示唆しているものと思われる。グラム陰性菌のP.Radioraは本酵素でも溶菌されにくく、界面活性剤との併用によって幾分溶菌された。これはP.Radioraが堅い殻につつまれており、酵素作用を受けにくいことを示している。